網走港の巣材


2014年4月19日:網走港

網走港で繁殖しているカワウ達は、主に網走川河口に近い港内で巣材を集めています。水中に潜り、おそらく海底に堆積している樹木の枝を嘴で咥えて堤防へ運びます。観察開始時の2007年から2012年頃までは巣材の確保に苦労することは無かったようですが、近年では繁殖地から10km以上離れた場所から枝を運ぶ姿や、芽吹いたばかりの生木の枝を苦労して折る姿や、海岸に打ち上がった海藻を運んでいる姿を頻繁に見るようになっています。急激に拡大し続ける営巣数に比べて、周辺から集められる良質な巣材の量が足りていないのかもしれません。


2015年4月26日:網走港

*本記事は北海道海鳥保全研究会の会報「北の海鳥」第二号に掲載した記事を一部改変したものです。
http://hseabirdconservati.wix.com/hseabirdconservg#!newsletter/cg6n

副会長 渡辺義昭
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カワウの北上


16/02/22
写真を整理していたらこんな写真が出てきました
(2014/04撮影)

オホーツク沿岸にカワウが北上してくるのは
早い時は3月末、多くは4月中旬以降です
そのころのオホーツクは写真のようにまだ雪がたくさんです

あと一月もしたら北上して来る群れが見られます

HKKでは北上の情報も募集していますので
皆さん観察よろしくお願いします

会長 大館
 
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網走港でのカワウの一年

網走港の堤防上で繁殖しているカワウ(2012年まで推定カワウ)は、3月下旬から4月上旬に10〜20羽程の第一陣が繁殖地に到着し、その後急速に個体数が増加すると同時に求愛造巣が活発になります。飛来した直後から繁殖活動が活発になる印象があり、パタパタと翼を動かすコミカルな求愛の動きは、飛来直後から数週間までが最も活発になります。
飛来直後から始まる造巣行動は5月上旬には終了し、ほとんどのツガイが抱卵に入ります。その後、6月上旬から巣内育雛がはじまり、7月上旬から巣外育雛と言って良いのでしょうか?巣周辺の消波ブロック上に幼鳥が並びはじめます。
堤防で生まれ育ったカワウの幼鳥は、7月下旬から港内の別の場所へ移動しはじめます。そして、成鳥とともに9月にかけて港内からも徐々に数を減らしていきます。その後、網走近郊では10月一杯でほとんどのカワウは見られなくなり、越冬地へ向けて旅立つと思われます(越冬地については何も理解っていません → 今後標識調査で解明していきたい)。
尚、繁殖が終了したあとの堤防は、そのまま塒として利用されていますが、詳細な観察はしていないので正確な動きはつかめていません。



*本記事は北海道海鳥保全研究会の会報「北の海鳥」第二号に掲載した記事を一部改変したものです。
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副会長 渡辺義昭
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網走港のカワウ繁殖地

私は2007年よりオホーツク海沿岸の海鳥のカウント調査を行っており、その調査の中で網走港でカワウが繁殖していることを知りました(2007年から2012年まではウミウだと思い込んでましたが・・・)。調査は現在も継続しており、堤防での繁殖状況について今理解っていることをご紹介したいと思います。

【場所と観察方法】
網走港でカワウが繁殖している場所は、第4埠頭の南東側700m程の海上にある、南北に約530mと約350mの2つの堤防になります。主に堤防の消波ブロック上に巣を構え、同じ消波ブロック上で極小数のウミウが繁殖し、堤防では多数のオオセグロカモメが子育てを行っています。
調査は概ね3月から9月までの月2回、主に第4埠頭から20〜60倍(現在は30〜70倍)のフィールドスコープを使用して、毎回午前中の同じような時間帯に実施しています。北側の堤防をA堤防、南側の堤防をB
堤防と名付け、カウントは港内のその他の場所も含めて場所毎に実施しています。調査では港内の陸上から見える範囲の繁殖数しか確認していないため、見えない堤防の裏側(沖側)にある、消波ブロック上などの場所は一度も調査できていません。したがって私の調査で確認している数は、網走港で繁殖しているカワウの総数ではありません。



参考までに網走港では2013年以降の観察で、ウミウは極めて少数しか繁殖していないことが確認できています。
網走港でのウミウの繁殖は2013年に巣材運び中の個体を2回観察しただけで巣は未確認(堤防裏側で繁殖していた様子)、2014年は2巣を確認、そして2015年は1巣しか確認できませんでした。おそらくですが2012年以前は繁殖していなかった、もしくは繁殖していたとしても極僅かであっただろうと私は想像しています。
これに加えて最大の誤認に気付いた後に、過去に撮影した繁殖地のウ類の写真や動画を詳細に確認したところ、画像から確認できた個体は全てカワウでした。真偽のほどは定かではありませんが、網走港では観察当初からほとんど全てカワウだけが繁殖していただろう?と私は思っています(信じたい!と言ったほうが正確かもしれません)。


*本記事は北海道海鳥保全研究会の会報「北の海鳥」第二号に掲載した記事を一部改変したものです。
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副会長 渡辺義昭
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カワウのイラスト


2016/02/12
2月だというのにこの暖かさは何だろう?

先日、北海道新聞で見つけた「カワウ」イラストです
作者は有名な方です
旭山動物園にいた方でたくさん絵本も書いています

カワウに興味がある人もいるのですねー
​この研究会も盛り上げていきたいです

会長(一応)

 
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ウミウとの識別

ウ類の識別について最初に伝えなければならない恥ずかしい話があります。私が観察を続けている網走港の堤防では、現在多数のカワウが繁殖しています。しかし、観察を始めた2007年から2012年までの6年という長きに渡り、私は網走港で繁殖しているウ類は全てウミウだと完全に思い込み、フィールドノートにはウミウの繁殖数として記録し続けていました。ところが、残念なことに真実は全く異なっていました。網走港で繁殖しているウ類の99%がカワウであり、ウミウは見える範囲に数ツガイしか営巣していなかったのです・・・。
中学生の頃から鳥を見てきた私にとって、多々ある誤認の中でも最大最悪の事態に心底落ち込みましたが、問題に気付いた2012年冬以後の2013年からの調査では、確実な識別を徹底することによって、知られざる堤防上で繁殖するカワウの実態が少しずつ見えはじめています。
 

 
ウの仲間の識別は難しい、特にカワウは川にいてウミウは海にいると思い込んでいると、大変痛い目を見ることになります。私はカワウが海鳥であり、海にも普通にカワウがいることを知っていたにも関わらず、まさかそれが堤防上で、しかも沢山繁殖しているなんて夢にも思いませんでした。先入観は恐ろしく、脳内に張り付いたイメージはなかなか消え去りません。しかし、見るべきポイントに気付いてしまえば簡単に間違うことは無くなるので、ウ類の識別で私が最も重要視しているポイントをご紹介します。
それは顔の白色部の大きさと形になります。嘴の黄色の形や翼の色などの識別点も近距離では有効ですが、顔の白色部は特に繁殖中の個体でよく目立つので、遠方からの観察でも精度の高い判別が可能であり、とても使える識別点だと思っています。尚、堤防で繁殖しているカワウは主に樹木の枝を利用した巣を使い、一方でウミウは主に海藻を使った巣で子育てしています。繁殖地によっては巣材の違いが明確ではない場所があるので十分な注意が必要ですが、顔を全く見せてくれない巣上の個体をカウントする場合などで、巣の材質の違いはとても参考になっています。

*本記事は北海道海鳥保全研究会の会報「北の海鳥」第二号に掲載した記事を一部修正したものです。
http://hseabirdconservati.wix.com/hseabirdconservg#!newsletter/cg6n

カワウとウミウの識別については以下のPDFも参考になります。
【環境省】カワウとウミウの見分け方
http://www.biodic.go.jp/kawau/d_hogokanri/hunt_leaflet.pdf
副会長 渡辺義昭
 
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カラーリングの作製



先日、グラインダーでバリを取り除いた文字が刻印されたプラスチックの板を、リング状に丸める作業を行っています。
卓上タイプのIHクッキングヒーターを使用し、古いフライパンの上でプラスチックの板を熱します。
熱くなって柔らかくなった板を、カワウの足の大きさに合わせて削りだした木の棒に巻きつけて、実際に装着するサイズに丸めます。
最初の2個は案の定、上手くできませんでした。
再度、熱を加えて苦労して修正を行い、なんとかリカバリーすることができましが・・・。



作業は厚手の革手を使用して行っていますが、20個ほど丸めたところで押し付ける指が熱で痛くなりました。
それほど難しい作業ではありませんが、連続して行うのは止めたほうがよさそうです。

尚、リングの作製方法はカワウ標識調査グループに指導していただき、木の棒は関東で使われている物をお借りして、全く同じものを2本作りました。
写真の黄色いリングは関東で実際に標識されているリングで、サンプルとしていただいてきた物です。写真では遠近感が強く働いているため、北海道のリングが多く感じられるかもしれませんが、実物は全て同じ大きさになっています。

副会長 渡辺義昭
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カラーリングの色について

前回の記事のカラーリングの色について、説明が不十分でしたので補足説明させていただきます。

まず最初にカワウに標識するカラーリングの色は、日本鳥類標識協会のカラーマーキング・カワウ登録担当者(福田道雄氏)によって決められています。
カラーリングに関する詳細情報はこちらのサイトをご覧ください。
■カラーマーキングの部屋
http://birdbanding-assn.jp/J05_color_ring/color.htm

カワウに使用されているカラーリングの色は地域別に異なる色が用いられており、赤色のリングはかつて九州(大分・沖黒島)にて使用されていました。しかし、この赤色を使った放鳥は30年以上途絶えているため、別地域での使用についての問題はなくなっているとのことです。
赤色はよく目立つため、できるだけ長期的な研究に使用することを考えて残してありましたが、そのような調査を行えるコロニーがほとんど無くなったことや、日本の生息分布の中での北海道という地域の重要性から、今回北海道での使用を決めたとのことです。

改めて赤色のリングを使用する責任を強く感じています。
まだまだ未熟な私達ですが、先輩達の指導を仰ぎながら、息の長い活動をしっかり続けていこうと思っています。


副会長 渡辺義昭
 

 


 

 

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カラーリングの作製



北海道のカワウは春から晩秋にかけて道内各地で見ることができますが、冬の間に何処でどの様に過ごしているのか?現時点では全く分かっていません。
当会では北海道のカワウにカラーリングを装着し放鳥することによって、道内のカワウの動きを可能な限り把握することを当面の最大の目標にしています。

北海道ではこれまでにカワウの標識調査が行われたことは一度もないため、道内でカワウの調査を実施できる人を見つけることができませんでした。
そこで、長年カワウの調査を続けておられる「カワウ標識調査グループ」の福田道雄氏に指導を仰ぎ、昨年2月に行徳コロニーにて捕獲からカラーリングの作製まで指導していただきました。
同時に、北海道でのカラーリングの色を「赤に白文字」に決めていただました。
福田氏によると、赤いリングは長年秘蔵していた「とっておきの赤」だそうで、特別な時のために使わずに残していたとのことでした。

行徳の調査に参加して意外なことに気がつきました。
道内では認知度が非常に低いカワウですが、カワウ調査の第一線で活躍されている方々の中では、北海道のカワウへの関心度が非常に高かったのです。

赤いリングは当会メンバーはもちろん、多くのカワウ関係者が強い関心を持っています。
恥ずかしい仕事をしないように十分注意しながら、ひとつずつ丁寧にプラスチックの板からグラインダーでバリを取っています。

副会長 渡辺義昭

 



 
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カワウのほん

当会の幹事を務めていただいている加藤ななえ氏による「カワウのほん」を紹介させていただきます。
日本のカワウを知る上で知っておきたい情報が網羅されていますので、是非ご一読をよろしくお願いします。

【バードリサーチ】カワウプロジェクト
カワウのほん (加藤ななえ著)
http://www.bird-research.jp/1_katsudo/kawau/kawaubook.html


もっとカワウについて知りたい方は、カワウに関する情報が豊富なサイトを左に表示しましたので、そちらから各サイトへ移動して下さい。
すべてのサイトをじっくりと読みこめば、日本のカワウのスペシャリストになれること間違いなし!だと私は思っています。
(沢山あるので私自身、まだ全てを見きれていません・・・)

副会長 渡辺義昭
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